アパートやマンションなどの賃貸物件を契約する際、車を所有している方は駐車場も契約する必要があります。
駐車場では、無断駐車や当て逃げなどのさまざまな問題が発生する可能性があります。
引越しで後悔しないために、アパートの駐車場で起こりうる問題とその対策について解説します。
アパートの駐車場で起こりうる問題
駐車場の構造
駐車場が狭い
駐車スペースが狭く、隣の車との距離が近くなってしまうと、当て逃げや接触により車に傷をつけられてしまう可能性が高くなります。
また駐車場の広さや構造によっては、出入りの際に切り返しが必要になったり、他の車と同じタイミングで出入りする際には必ずどちらかが待つ必要が出てきたりして、何かと時間がかかってしまうかもしれません。
水が溜まりやすい
駐車スペースが傾いていたり窪みがあったりすると、雨や雪が降ると水が溜まり、出入りの際に靴や服が汚れやすくなってしまいます。また、車も傷みやすくなってしまいます。
駐車スペースに水が溜まりやすい構造かどうかは、晴れた日にはわかりにくいので、雨が降った日の翌日などに確認してみるとよいです。
来客用駐車場
一般的には、多くのアパートには来客用駐車場がありません。来客用駐車場がない場合、親や友人などがアパートに車で来た場合はどうなるのかについて考えておく必要があります。
また来客用駐車場がないため、人の駐車スペースや空きスペースを勝手に使ったり、公道に長時間駐車したりする人もいるかもしれません。つまり、無断駐車をされたり、公道に長時間駐車されることで駐車場に出入りしにくくなる可能性がでてきます。
除雪のしやすさ
雪が積もる地域の方限定ですが、水を流すことで雪を溶かしてくれる融雪設備や駐車スペースの近くに雪を捨てる場所がないと、除雪作業が大変になります。
除雪時間は人や使用する道具、駐車場の構造や広さ、融雪設備の有無などにより異なりますが、遅い人は1回の除雪作業に数時間かかることもあります。雪の多い所では除雪作業を1日に数回行う必要がありますので、かなりの労力と時間を費やすことになるかもしれません。
除雪がしにくい駐車場だと、積雪時は思いもよらない所に雪が寄せられて出入りがしにくくなったり、車が停まっていない駐車スペースなどに雪を捨てる人もいたりします。除雪をしない人の駐車スペースなどに雪を積んで嫌がらせをする人もいるかもしれません。
駐車場につながる道
駐車場に出入りするための公道などの道が狭いと、出入りの際に切り返しが必要になったり、公道に長時間停まっている車がいると通れなかったりします。
また駐車場から公道などにつながる道が長いと、雪が積もる地域の方はその長い共同の道も除雪が必要になる可能性があります。
駐車場の周辺環境
自転車置き場の近く
自分の駐車スペースが自転車置き場の近くにあると、人や自転車の出入りによって車をぶつけられる可能性が高くなるかもしれません。
また自転車置き場が小さいと、自転車置き場の外にも自転車を停められて出入りがしにくくなるかもしれません。
ゴミ置き場の近く
自分の駐車スペースがゴミ置き場の近くにあると、ゴミが散らかったり、臭いが気になったりするかもしれません。
回収できないゴミを大量に置かれることや、カラスの糞害に遭う可能性もあります。
花壇や空き地の近く
自分の駐車スペースの近くに花壇や空き地などの植物が生えている環境があると、虫の被害や鳥の糞害に遭う可能性があります。
車の出入の際にハチに襲われたり、車にハチの巣をつくられたりするかもしれません。
学校などの近く
駐車場が学校や通学路などの近くの場合、駐車場が子供の遊び場にされる可能性があります。
ボール遊びなどで車を傷つけられたり、大声が室内に響いてきたりするかもしれません。
住民の民度
無断駐車・はみ出し駐車
住民の民度が低いと、無断駐車やはみ出し駐車など、契約した駐車スペースを他の人が勝手に使うことがあります。
特に自分の駐車スペースに車を停車する頻度が少ない場合は、他人が毎日無断駐車したり、除雪の際に雪捨て場にされたりすることがあります。
寄せて駐車
毎日、駐車スペースの境界線ギリギリに寄せて駐車する人もいます。このことで、隣の車との距離が近くなり、乗り降りが不便になるだけでなく、接触などによって車に傷がついてしまうかもしれません。
なお隣の車がギリギリに寄せて駐車することで、隣の車の人が乗り降りしにくくなってぶつかってくることもあります。
駐車場にゴミを捨てる
駐車場にお菓子の箱や空き缶などのゴミを頻繁に捨てる住民もいます。自分の駐車スペースや出入口にゴミを置かれると迷惑ですし、ゴミの種類によっては危険でもあります。
駐車場で遊ぶ
アパートの大半の住民が仕事に行っている時間帯は駐車している車が少ないので、駐車場が子供たちの遊び場にされることがあります。サッカー、キャッチボール、バドミントンなどで車に傷を付けられる可能性があります。
また、子供だけではなく、大人も一緒になって駐車場で遊んでいることもあります。
管理会社や大家の対応
駐車場で上述のような問題が発生した際は、車上荒らしなどの明らかな犯罪ではない限り、管理会社や大家に相談することになります。しかし、管理会社や大家が適切な対応をしてくれない場合も多いです。
もちろん、管理会社などは必ず自分の思った通りの対応をしてくれるわけではありません。ただし、誠実な対応をしてくれるかどうかは、何気ない対応から察することもできます。
管理会社や大家の対応が普段からおかしい、何かやらかしそうな予感がすると感じたら、契約を見送ることも視野に入れましょう。
対応が遅い・悪い
駐車場の問題について管理会社や大家に相談しても、1週間以上たっても音沙汰がないことがあります。再度連絡してみたら、見当違いの対応をしていたということもあります。
対応が遅かったり悪かったりすると、問題が長引き、解決できなくなるばかりでなく、問題が悪化することも考えられます。
現場を確認せずに文書のみで対応
無断駐車をしている、子供が駐車場で遊んでいるなどの相談を受けたら、現場も確認せずに相談内容通りの文書を作成して、アパートの全世帯に配布するという対応をするところがあります。
もちろん、それで解決することもあります。しかし、効果がないこともあります。
またこの対応の場合、管理会社や大家が声の大きいクレーマーの言いなりになる可能性があります。実際に被害を受けている側を悪く書いた文書を全世帯に配る可能性もありますので、注意が必要です。
二重契約
いい加減な管理をしている管理会社や大家は二重契約をする可能性が高いです。
特に上述のような現場を確認しない所は要注意です。
貸主が駐車スペースを二重で契約すると、駐車場を契約しているのに勝手に他人に使われ、こちらが無断駐車をしているという内容の警告文がアパートの全世帯に配られる可能性があります。
さらに、こちらが先に駐車場を契約していたのに他の駐車場に契約し直すように言ってくる管理会社などもあります。
対策
引越前に念入りに調べておく
引越後に上述のような問題に遭わないために、引越前に駐車場の状態やアパートの住民・管理会社と考えが合っているかなどを念入りに調べておきましょう。
防犯カメラなどが設置されたアパートを選ぶ
駐車場に防犯カメラが設置されたアパートの場合、車上荒らしや当て逃げなどにあっても、犯人を特定しやすくなります。また、防犯対策にもなります。
雪が積もる地域であれば、融雪設備のあるアパートを選ぶことで除雪のトラブルが発生しにくくなるかもしれません。
他の駐車場と契約できる環境
引越後にアパートの駐車場で問題が発生してしまった場合でも、近くに手頃な駐車場と契約できる環境にあれば、そこと契約することで駐車場の問題が解決できるかもしれません。
なお、新しい駐車場でも新たな問題が発生する可能性はあります。
引越し
アパートなどの集合住宅では、住人の引越しなどもあり、どうしても価値観の違いなどによって合う・合わないが出てきます。
お部屋においても駐車場においても、どうしても我慢できない問題が出てきてしまったら、最終手段として引越しを検討してみましょう。
まとめ
以上、アパートの駐車場で起こりうる問題と対策について解説しました。
駐車場での問題や対策は、上述以外にも色々あります。そして、根本的に解決できない問題は多いです。根本的な解決にはお金、時間、労力などが必要になり、ストレスの原因にもなります。
解決できない・しにくい問題で後々後悔することがないよう、引越しの際は、お部屋のことだけではなく駐車場についても念入りにリサーチしておきましょう。
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