先月、契約している賃貸マンションで消防設備点検が実施されました。
その際に消防設備点検について調べてみたところ、火災報知器・自動火災報知設備・感知器などの用語が出てきて難しく感じたため、自分用にわかりやすくまとめてみました。
また、お部屋の中へ作業員が立ち入る消防設備点検などの頻度は、契約する賃貸マンションやアパートによって異なります。
そのため、賃貸マンションやアパートを選ぶ際の1つの要素になり得ると思ったので、引越しの際に確認しておいた方が良いかもしれない事項についても記述しました。
※消防設備点検についての最新の情報や詳細については、消防法などにてご確認ください。
消防設備点検とは
「消防設備点検」とは、消防法第17条の3の3で定められた、消防設備の定期点検のことです。
消防設備点検の対象となるのは、消火器・自動火災報知設備(火災報知器などと呼ばれることもあります)・非常ベル・避難はしごなどです。
消防設備の設置が必要な建物(防火対象物)かどうかは、法律で決められています。
【火災報知器とは】自動火災報知設備と住宅用火災警報器
火災報知器(火災報知機と呼ばれることもあります)とは、「自動火災報知設備」と「住宅用火災警報器」の通称で、熱や煙を感知して火災の発生を知らせる役割があります。
同じ火災報知器でも、点検義務があるのは「自動火災報知設備」だけで、「住宅用火災警報器」には点検義務はありません。
自動火災報知設備と住宅用火災警報器、どちらの火災報知器を設置しなければいけないかは、建物の用途や規模などによって法律で決められています。
自動火災報知設備とは
自動火災報知設備(じどうかさいほうちせつび)とは、自動的に火災の発生を建物内に報知する(知らせる)設備のことで、感知器・受信機・非常ベルなどが該当します。
感知器とは
感知器は、自動火災報知設備の1つであるので、火災報知器と呼ばれることもあります。
感知器は熱や煙などに反応するセンサーで、感知器が作動すると火災信号が発信され、最終的に非常ベルを鳴らすことで火災を報知する役割があります。
感知器はキッチン・お部屋の天井や押入れの中などに設置されます。
熱感知器
感知器には種類があり、作動原理や形などが異なります。
煙や炎に反応する感知器もありますが、ここでは熱に反応する『熱感知器』の「定温式スポット型熱感知器」と「差動式スポット型熱感知器」について簡単に説明します。
定温式スポット型熱感知器
定温式スポット型熱感知器は、感知器周囲が一定の温度以上になったときに作動する感知器です。
感知器が作動する温度は、キッチンや押入れなど、設置場所によって異なります。
定温式スポット型熱感知器は一般的に鉄板が付いており、凸凹した形をしています。
差動式スポット型熱感知器
差動式スポット型熱感知器は、温度差を感知して作動する感知器です。
より具体的には、温度上昇にしたがい空気が膨張する仕組みを利用して、温度変化による空気の膨張を感知しています。
差動式スポット型感知器は一般的に白色で、天井に設置されている感知器を真下から見上げると、丸くて凹凸の少ない形をしています。
【引越しの際の確認事項】賃貸マンション・アパートの立ち入り点検について
感知器などの「自動火災報知設備」が設置されている賃貸マンション・アパートに引っ越す場合、法律にしたがって、お部屋の中へ作業員が立ち入る定期的な消防設備点検が実施されます。
一方、「住宅用火災警報器」が設置されている場合は、点検は義務ではなく推奨となります。
私の経験では、自動火災報知設備が設置されている賃貸マンションよりも、住宅用火災警報器が設置されている賃貸アパートの方が、立ち入り点検の頻度は少なかったです。
とは言え、部屋の中へ立ち入る点検の頻度は、賃貸マンション・アパートの規模や構造、設備・管理者の方針などによって変わります。
火災の発生を知らせる火災報知器などの点検は人命や資産を守るために大切ですが、室内への立ち入り点検が頻繁にあると困る場合は、マンションやアパートを契約する前に消防設備点検だけに限らず、どのような点検があるのか・点検頻度や点検時間・立会いできない場合はどうなるかなどについてきちんと確認しておくと良いと思いました。
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