2016年(平成28年)4月1日以降、私たちは電力会社や電力会社の料金プランを自由に選ぶことができるようになりました。
しかし、賃貸の集合住宅に住んでいる場合は、電力会社を変更できないこともあります。
今回は、賃貸マンション・アパートなどの集合住宅に住んでいる場合、電力会社は切り替えられるかどうかについて解説します。
電力会社を切り替えることができる条件
賃貸マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいても、以下の2つの条件全てに該当すれば、基本的には自由に電力会社を切り替えることができます。
- 現在、「自分の名義」で電力会社と契約している(入居者が直接電力会社と契約している)
- 賃貸物件に関する契約や規約などで制限されていない
また、以下の条件全てに該当している場合、入居者が自由に電力会社を変更できる可能性が高いです。
- 電気の検針票や請求書が「電力会社」から毎月届いている
- 自分のお部屋の電気の契約が従量電灯などの「低圧」という契約になっている
- 電気料金は「電力会社」に支払っている
電力会社を切り替えられない場合
一方、以下のどれかに該当する場合は、電力会社を切り替えられない可能性が高いです。
- 現在、「他人の名義」で電力会社と契約している
- 賃貸物件に関する契約や規約などで制限されている(高圧一括受電)
現在、「他人の名義」で電力会社と契約している
現在、大家さんや管理会社などの「他人の名義」で電力会社と契約している場合は、賃貸マンション・アパートの入居者は電力会社を切り替えることはできません。
どうしても電力会社を切り替えたい場合は、その契約名義になっている人に確認する必要があります。
賃貸物件に関する契約や規約などで制限されている(高圧一括受電)
賃貸物件によっては、その建物全体で一括して電力会社と契約していることがあります。
これは高圧一括受電の契約というもので、マンションなどの共用部分の電気代に「高圧」という安い電気料金単価を適用するなどの目的で、大家さんや管理会社などがまとめて1つの電力会社と契約するというものです。
この場合は賃貸物件に関する契約や規約などで、電力会社の切り替えが制限されている可能性が高いです。
電力会社を入居者個人で切り替えることができるかどうかは、賃貸マンション・アパートの大家さんや管理会社などに直接確認してみるのが最も簡単で確実な方法ですが、自分で調べてみたい場合は契約書・規約や物件情報などを確認してみるとよいと思います。
高圧一括受電契約をしている賃貸マンション・アパートの特徴
現在住んでいる賃貸マンション・アパートの電気が高圧一括受電で契約されている場合、入居者個人で電力会社を切り替えるのは難しいです。
高圧一括受電の契約をしている賃貸物件には以下の特徴があります。
つまり、以下のどれかに1つでも該当する場合は、電力会社を選ぶことができない可能性が高いです。
- 「大家さんや管理会社の名義」で電力会社と契約している
- 「大家さんや管理会社」から電気の請求書が届く
- 「大家さんや管理会社」に電気料金を支払っている
- タワーマンションなどの大規模なマンションである(50戸以上が目安だが、100戸ぐらいでも高圧一括受電ではない場合も多い。)
- 敷地内や屋上に、電気室やキュービクルなどがある(キュービクルとは、「変電設備」などと書かれた、箱型の高圧受電設備のこと。)
- 数年に一度、設備の点検のために停電が発生する など
電力会社を切り替えてよいか・高圧一括受電かわからない場合は、現在住んでいる賃貸マンション・アパートの大家さんや管理会社などに確認してみましょう。
なお、今回の記事で使った「低圧」「高圧」「キュービクル」という用語は、以下の記事でより詳しく解説しています。
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